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第52章 旅行 〜中編〜
夢中になってキスを繰り返していると、珍しく羚汰のほうから体を引く。

「...んっ?」

まだまだ続くと思っていた稜は、思わず追いかけるようにしてしまう。

「稜...」

稜の顔を覆っていた手が、ピンク色に上気した頬を撫でる。

「なぁに?」

「風呂、入っておいでよ。洗い物しとくから」

「えっ、でも...」

まだ洗い物や片付けが結構残っている。
大部分は食洗機がやってくれるとはいえ、時間はそこそこかかりそうだ。

「稜、髪洗うのとか、なっげーーんだもん」

「えー。そうかな?」

女子的には普通だと思うけど。
って言うか、一人で入って来いってことなのねー。
何だかさみしい。

少し寂しい気持ちになっていると、察したのか羚汰がふふっと笑って、いつもの様に唇を撫でる。

「あとで追いかけるから、ジャグジー入ろ」

一気に顔が赤くなったのが自分でわかる。
顔を背けようとするも、羚汰に掴まれていて動けない。
しかも、楽しそうに覗き込んでくる。

「ね?」

「...うん」

稜が僅かな声で返事したのを確認すると、唇が柔らかく触れて名残惜しげに離れてゆく。

稜は心臓の音が激しく鼓動するのを感じて、急いで羚汰から離れる。
羚汰が何かまだ言いたげだったが、気付かないフリをする。

心臓だけでなくて、中心の部分にもじんじんと血の巡りを感じるからだ。

お酒、お酒を飲んでいるからよ!

そう言い聞かせながら、一階の部屋でスーツケースを開け、風呂の支度をはじめる。
シャンプーやメイク落とし、パジャマや下着を持って、大急ぎでキッチンのそばを通って風呂に向かう。

洗面所で荷物を置いて一息つく。

こんなこと、いつものことなのに。何故か今日はいつも以上にドキドキが止まらない。
お酒のせいだけではない。

部屋が、お風呂が、ロッジ自体が素敵すぎるから。

初めて羚汰とした時も、ここまで緊張はしなかった。
緊張どうこうより、喜びが勝ったからだろう。

クリスマスの時は、ロマンティックだったし。
あの時も風呂に入ったけど...。

洗面台に手をついて、心臓を落ち着かせていると、不意に風呂のドアが開く。

「っ!」

慌てて振り向くと、キッチンにいると思っていた羚汰が出てきた。

「そんなびっくりする?」

羚汰がくすくす笑っている。

「ジャグジーのお湯、貯め方わかんないかと思ってー」
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