この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第53章 旅行 〜後編〜
開けると、こじんまりとした広さに、トイレと洗面台、シャワーカーテンに仕切られたバスタブがある。

こじんまりとした、といっても、稜たちの部屋のバスタブより浅くはあるが広い。

「いままで、トイレどーしてたの?」

立ち尽くす稜に、不思議そうな顔をして羚汰が後ろから覗き込む。

「1階にしかトイレないと思ってた」

羚汰が吹き出す。

「んなワケないじゃん!」

「だって、このドアわかりにくいもん」

壁紙が複雑な模様をしていて、個性的な家具も並んでいるのでドアがあることがわからなかった。

「ほら、早く入って。後から俺も追っかけるから」

羚汰に言われて我に返る。
また一緒に入るのはちょっと...。

一緒に入るのがイヤというわけではないが、風呂場でスルには普通より体力がいるのだ。
そんな体力は残ってない。

慌てて荷物を用意し、シャワーを浴びる。
鍵がかけれたら安心出来るのに、鍵はついていない。

羚汰がいつ入ってくるかわからない緊張感が、稜の体を熱くする。
そんな自分が恥ずかしくて、否定するかのように急いで髪を洗い体を洗う。

そして結局、お湯は溜めずにシャワーですませた。


シャワーから出ると、羚汰はまだ暖炉の前で格闘していた。

「お先にー」

「あっ、稜!早くね?これからそっち行こうと思ってたのにー」

暖炉の中で、オレンジ色の柔らかい光が揺らめいている。

吸い込まれるように、その前に置かれたいくつかのソファの1つに座る。

「綺麗...」

「しかも、いつものパジャマ着てるし。バスローブ、置いてあったでしょ?」

バスローブはどうも落ち着かない。
稜は、持ってきていたいつものパジャマに袖を通した。

「...シャワー浴びてくる。寝ちゃダメだからね〜!」

話しかけても炎に夢中の稜を見かねて、羚汰がシャワーへ向かう。


稜は、暖炉の中の光から目が逸らせない。

柔らかくゆらゆらと揺れる中にも、妖しく赤く揺らめいて、飽きることなく見ていられた。

「髪乾かしてないじゃん?」

ふいに羚汰の声がしてびっくりする。

振り向くとバスローブ姿の羚汰がドライヤーを持って立っていた。

「え、もう出たの?」

「フツーに浴びてきたよ。そんなに楽しい?」

「うん。なんか見入っちゃってた」
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ