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NEXT 【完結】
第55章 スーツケースの秘密
激甘で濃厚な3日間は、終りを迎えた。

マンションに、稜は翌日から仕事があることを考えて、夕方には戻ってきた。
途中、食材を買い出しにスーパーへ寄って、晩御飯の用意なんかを買い込んだ。

車は、近くのコインパーキングに止めて、明日予定のない羚汰が返しに行くらしい。

行きは、食材を山ほど運んだのでかなり往復したが、帰りは泊まりの荷物以外はほとんど無い。
それでも稜のスーツケースは大きくて、そこそこ重さもあって、運ぶのに一苦労だ。

途中までガラガラ押していたが、エントランスなど数カ所は持ち上げて運ばないといけない。

エレベーターに乗り込みながら、羚汰が不思議そうに質問をする。

「稜の荷物多すぎだよねー。何をそんなに持ってったの?」

「え、あ、...別に、服とか...」

「ふーん?」

羚汰に何かを察知されているようで、視線が痛い。

「それに、ほら、ゴロゴロついてたほうが、運びやすいかなって」

エレベーターが開いて、羚汰がドアを閉まらないように押さえてくれている間に、スーツケースを持ち上げる。

エレベーター内の床は、足ふきマットのような素材で転がせないのだ。

「でもかなり重そうだよね」

「そ、んなこと、ないよ」

悟られまいと、平然としたそぶりで歩き出す。

しかし、困った。
これから部屋に戻ったら、開けないのは不自然だ。
準備する時は、羚汰が車を借りに出掛けてたので、その間に準備したが。

羚汰が部屋の鍵を開けている。

どうしようー。
羚汰が風呂に入っている間に開けるか、今は物置と化している隣の自分の部屋に運ぼう。
そうよ。それがいい。

「うー、ただいまー!!」

羚汰が誰もいない部屋に叫びながら、ソファになだれ込む。
ロッジやホテルのエリアから離れると、ほとんど雪は溶けていた。それでもずっと運転していたのだ。疲れない筈がない。

「お疲れさま」

稜は部屋までもやっとの思いでスーツケースを運ぶ。
それに気づいた羚汰が運ぶのを手伝ってくれ、テーブルの横に倒すように置いた。

何かを言いたげな羚汰が、急に何かを思いついたらしい。

「あ、やべっ。熱帯魚に餌やらないと!殺される!」

殺される??

今度は稜が不思議に思いながら、羚汰の後ろ姿を見送る。

熱帯魚にエサをやっている間に...はスーツケースは片付けれない。
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