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第55章 スーツケースの秘密
スーパーで買ってきた食材を冷蔵庫にしまっていると、羚汰が熱帯魚の餌をやり終えて戻ってきた。

「一昨日餌あげといたけど、心配でさー」

よっぽど焦っていたのか、胸をなで下ろしている。

そんなに熱帯魚大事なんだ。

「もし、お亡くなりとかになってたらどーしよーかと思ったー。殺されるどころじゃない。あー、コワイコワイ」

??

不思議そうな顔をしていると、羚汰が気づいたらしい。

「あれ?言ってなかったっけ?あの熱帯魚、姪っこから預かってんの」

ほぼ一年前、羚汰のお姉さんの家族が旦那さんの仕事の関係で、アメリカに3年限定で行くことになり。
熱帯魚は連れていけないので、羚汰が預かることになったらしい。

「その高機能の電子レンジと、斜めドラムの洗濯機も、ねーちゃんとこの預かりもんだよ」

そーだったんだ!
一人暮らしにしては、高級な家電だなと思っていたが、お金持ちなんだと思っていた。

素直にそう羚汰に言うと、びっくりして否定している。

「まさか!熱帯魚はともかく、レンジとか預かってんのだって、トランクルームとかに入れるぐらいならって、しぶしぶだし!」

冷蔵庫は、ちょうど実家のが古くなってたから、実家のを捨てて実家にあるし。
テレビも預かる予定が、父親が自分用にするとかで取られちゃった。

日本に帰って来るまでの限定で無理矢理押し付けられたらしく、羚汰がぶりぶりしている。

洗濯機やレンジに比べて、冷蔵庫だけが一人用の質素な物で、なんだか違和感があったのが、これで大納得だ。

「ウチ、ふっつーのごく一般的な家庭だよ」

笑って話をしながら、羚汰が荷物をほどいて洗濯機に運んでいる。

「洗濯機回すよ。稜も洗濯物出して」

台所でまだごそごそしている稜を、羚汰が急かす。

「あ、えっと、...いいよ。私のは後で」

たいしてすることはもう残ってないのだが、ばたばたと台所で動き回る。

「羚汰、お腹すいた?もうご飯作ろっか」

朝から豪勢だったので、夜ご飯は簡単に鍋焼きうどん風なカンジにしようとスーパーで材料を買ってある。

「早くね?まだ、そんなお腹減ってないし」

ますます不審に思ったのか、羚汰がカウンターの中まで入ってくる。

「稜?何か隠してる?」

「何も...」

目線を逸らせるとわざとらしいかと、敢えて羚汰の目を見る。
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