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第55章 スーツケースの秘密

囁くような羚汰の声に導かれ、稜の頭がゆったりと前後に動き出す。

ただ立ち尽くしていた羚汰も、その動きに合わせて腰をゆっくりと動かし始めた。

稜の口いっぱいに含まれるその質感に、稜の声が響く中、羚汰の声も微かにしている。

「...ああ、気持ちよすぎ...」

頭を羚汰に固定され、その腰が動いて口の中いっぱいになる。

「んっ、むふっ、んふっんんっ」

厭らしい音が響いて、稜の口から唾液が滴る。

喉の奥を突くように当たるのを、涙目で必死に堪えながら羚汰を見上げると、羚汰と目が合う。

「...ホント、やべぇっ」

口の中に広がる、唾液と違う少し苦みのある液体を感じ、動きを早めようとするも羚汰に引きはがされる。

「...んはっ」

「りょっ...先生、もうイイから」

勢いよく抱きしめられ、そのままの体勢で立ち上がる。

「...んっ」

口から滴る唾液を拭っていると、羚汰の唇で塞がれる。

また最後までさせてもらえなかったー。

「俺、もう先生の中に入りたいー」

舌を交わしながらも、片足が引き上げられ、近くにあった机の上に乗せられる。
ハイヒールが音を立てて机に乗って、足が大きく開かれる。

湿っぽい音がして、羚汰のそこが稜の中心に宛がわれ刺激をされる。

「んっ、ぁあっ」

「...先生も欲しい、でしょ？」

羚汰の首に腕を巻きつかせながら、涙でもうぼんやりとしか見えない顔を縦に振る。

大きく引き上げられた足の間に、ショーツとストッキング越しではあるが、羚汰の指が往復する。

「んっ...触ってぇ」

タイトスカートをずり上げて、ストッキングの縁を探そうとする羚汰の手が、稜の手に遮られる。

「...破って」

「っ！」

羚汰の大きな瞳が、より大きく見開く。

その視線から逃れるように、首元にしがみついてその耳元に囁く。

「破っていいよ」

羚汰が唾を飲み込んだのがわかる。

「...マジで？」

腰を羚汰のほうへ少し寄せるようにひとりでに動いていた。

するすると中心に舞い戻った指先に、力が込められる。

ピリッ、と小さな音がしてストッキングが破かれる。

小さな音だが、２人の耳には大きく聞こえる。

「んっ...もっと、ビリビリにして」

続けて、ぴりぴりぴりっ、と音がして、羚汰の手が入るぐらいには広げられたのだろう。