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第55章 スーツケースの秘密
それからどれくらい時間が経ったのか、気付けば部屋は随分明るくなっている。

汗ばんだ腕や足を摺り寄せ、羚汰が絡まってきて、いつまでも離さない。

「羚汰...今日もバイトあるんでしょ。ちょっと眠ろ?」

こんな風にされていたら、いくら疲れきっているとはいえ、眠るなんて不可能だ。

絡まった腕から逃れようとするも、きっちりホールドされて身動きが取れない。

「んー。...ヤダ」

「昨日、忙しかったんでしょ。今日も忙しいよ?」

胸に顔を寄せてしがみついている羚汰の、少し短くなった髪を撫でる。

「だいじょーぶ。俺、体力ある...から...」

そう言いながら、抱きついた稜の鎖骨に唇を当て、キスを落としながらゆっくり上がってくる。

私にはもうその体力がナイんだって!

そう反論しようにも、口から出てくるのは淡い吐息だけだ。

「...っ...はぁ」

何かに気付いた羚汰が、首元に這わせていた唇をふいに離す。

「そういえば、まだチョコ貰ってない!」

一緒に住んでいるので、チョコ作りを隠し通せるわけはなく。
一応、羚汰が居ない時に作っていたのだが、それでも何か作っているってのはもうバレバレで。

今朝、お店の人用に焼いたクッキーを渡した時も、自分用のチョコがあるのか聞いてきた。

もちろん!夜、渡すよ。

そう言っていたのに。すっかり忘れていた。

「稜、夜って言ってたのに。もう朝だし。バレンタイン終わったよ?」

「ごめんね。ちゃんと用意してるから」

また胸に頭を乗せた羚汰の髪を撫でる。

昨夜はそれどころでは無かった。
そういう流れにしてしまったのは稜なので、計画不足と言えばそうなのかもしれない。

「...羚汰、離してくれないと取りに行けないよ」

「んー」

しぶしぶ羚汰の体から力が抜かれる。

体を起こしてベッドから降りようにも、体に残る痺れにも近い重だるい感覚に、素早く動けない。

「早く取ってきてー」

その理由を知りながら、枕を抱えるようにしてうつぶせている羚汰がにやにや笑っている。

その顔すら、憎たらしいほど可愛い。

なんとかベッドの縁に座りながら、羽織れるものを探す。

辺りに散らかった衣服が目に入り、昨夜何をしたかを思い出させる。

赤くなる顔をこらえながら、白衣を羽織った。
そのぐらいしか着るものがない。
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