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NEXT 【完結】
第58章 3週間ぶり
テーブルナプキンを広げながら、ワザとらしく羚汰が視線を上げる。

「なんでもない!」

ワザとだとわかっていても、なんだか悔しい。

慌てて稜もナプキンを広げる。

小さな丸いテーブルには、所狭しと料理が並んでいる。
先程から匂いでその存在を主張しているカレー。
付け合せにフライドポテトが付いた、クラブハウスサンドイッチ。
薬味が沢山小鉢にならんだ中華粥。
彩は地味だが、深夜のルームサービスなので仕方ないだろう。

「「いただきます」」

同時に手を合わせてそう言うと、なんだか気恥ずかしくて笑ってしまう。

「なんか組み合わせ、変だったね。適当に選んじゃったから...、ごめん」

確かに三種類がバラバラで、どれも炭水化物。
そして、野菜はない。

「いいよ。どれも美味しそう。ありがと」

稜は手前にあったサンドイッチを口に入れる。

「美味しい」

食べ始めると、すこぶるお腹がすいていたことに気付かされる。
でも、それだけでなく、本当に美味しかった。
冷たいだろうと決めてかかっていたが、パンやベーコンは暖かく。挟んであるトマトやレタスはフレッシュだ。
ポテトも揚げたてなのか、ベタついていない。

「こっちのカレーも美味いよ」

2人ともお腹が空いていたので、あっという間にがっつり食べ尽くす。

「美味しかったね」

「よかった。...コーヒー飲む?」

羚汰が立ち上がり、クローゼット近くの場所へ向かっている。
備え付けのカプセル式コーヒーマシンがあるようだ。

「やっぱカフェラテはないね。普通のしかないけど、飲む?」

「うん。ありがとう」

食べ尽くした皿を重ね、テレビ台の所に置いてあった大きなトレイに置く。

ドアの外まで運ぶのかな?

そう思って運んでいると、すれ違う羚汰に止められる。

「ちょっ、稜、そのカッコで外出る気?」

...そうだった。

自分の姿を思い出す。

「...でも、ドア開けて出すだけだから」

「ダメダメ!!」

トレイを取り上げられ、代わりにコーヒーを渡される。

「ほんと、もう。俺出すから、これ持って奥入っといて」

ぶつぶつ言いながらドアを開け、トレイを外のドア脇へと置いた。

羚汰が戻って来ても稜はまだ入口ちょっと入ったところのコーヒーマシーンの前でキョロキョロしている。
奥に入っていると思っていたので、ドアは結構開けた。
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