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NEXT 【完結】
第58章 3週間ぶり
ドアの向こうに人がいたわけでも、廊下を誰か通ったわけでもなかったが、羚汰が驚いて飛び上がる。

「稜!奥入って、つったじゃん!?」

「だって、ミルク...」

コーヒーを持ったまま、棚をのぞき込んでいる。
背伸びして少し前かがみになっているので、シャツが引っ張られ、今にもお尻が見えそうだ。

1つ大きく息を吐いた羚汰が素早く移動し、マシンの横からコーヒーフレッシュを取り出し渡す。

「はい...」

「ありがと」

言葉に少しトゲがあるようで、なんだか申し訳ない。

でも、そんな怒るほどかなぁ。

コーヒーフレッシュをもらいながら、羚汰を見上げると目が笑ってない。

やっぱり怒ってる。

久しぶりに会って、なんで怒らせてしまっちゃったのだろう。

稜は流石にしゅんとなりながら、コーヒーカップをソファまで運んだ。

すぐあとから羚汰も、自分のコーヒーカップを持って、ソファに座った。

なんだか気まずい。

さっきは、食べることに夢中になって、シャツが短い事を忘れていた。
改めて、その短さにもぞもぞしてしまい、ソファに浅く腰掛ける。

そんな稜に対し、羚汰は無言のままコーヒーを飲み続けている。
コーヒーカップのカチャカチャという音が部屋に響いて、いたたまれなくなり、稜は謝ることにした。

「...なんか、ごめんね?」

「なんで謝んの」

コーヒーカップ越しにギロりと睨まれて、体が固まる。

「その...怒らせた、から...」

「ふーん。何して?」

羚汰が飲み干したのか、テーブルの上にコーヒーカップを置いた。
稜はそちらが見えず、自分のコーヒーカップの中を見つめている。

「...えっと。その...」

言葉に詰まっていると、羚汰がため息をついて話し出す。

「前もそうだったけど、もうちょっと危機感持ってよね」

「...はい。...ん?」

前も?

前も、という言葉に顔を上げる。

眉間にシワを寄せた羚汰が、ソファの肘掛に肩肘をついて、こちらを伺っている。

怒ってさえいなかったら、とても素敵なのに。

「1人で早朝にコンビ二に出かけたりさ。そんな格好で人前に出ようとしたりさ」

コンビ二?早朝??

あ、ひょっとして付き合う前の。コンビ二におでんを買いに行ったやつ?

確かに、あの時も羚汰に怒られて。

「...ごめんなさい」

「ほんと、年上とは思えない」
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