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第60章 Downstairs
明るくなった部屋の中で、羚汰のスマホの音が響いている。
これは目覚ましではなく、呼出音ではないだろうか。
あまり聞いたことがない音な気がする。

稜は、手を伸ばして羚汰の体を揺する。

「羚汰ー。鳴ってるよー」

朝に弱いのか、羚汰は自分で止めた試しがない。

「んー」

羚汰がうつ伏せになった体から、腕を伸ばして稜を抱きしめようとする。

「違う違う。電話だから」

「んーーー?電話〜??」

やっと頭がクリアになってきたのか、サイドテーブルから落っこちたスマホを取り上げる。

画面を見て躊躇しているようだったが、しぶしぶ電話に出た。
やっと響いていた音がなくなって、稜はほっとして布団を被る。

「...はい」

羚汰が、ベッドに寝転んで電話に出ている。

「...マジで。...ゴメン。忘れてた。...いや、バイトだし。...うーん。出なきゃダメ?...わかった。ちょっとだけ顔出すわ。...ん」

電話を終えた羚汰が、スマホをサイドテーブルに置いて、布団の中を移動して稜の体を後ろから抱きしめる。

「おはよ」

「おはよ。電話珍しいね。初めて音聞いたかも」

「ちょい前にLINEで連絡来てたの無視してたら、かかってきちゃった。今日、サークルの追いコンらしいわ。ちょっとでもいいから顔出せって言われたー」

稜は体を反転させて、羚汰の方へ向く。

「追いコン?」

「あー、追い出しコンパ?卒業式もうすぐだから、卒業生を送る飲み会って意味。...使わない?」

不思議そうな稜の顔を撫でながら羚汰が答える。
学生時代、サークルに入ってなかった稜には、聞き慣れない言葉だ。

「初めて聞いた。...合コンなの?」

「あはっ。違う違う。そーゆんじゃないから。ただの飲み会」

「そっか。ならいいけど」

羚汰の腕が伸びてきて、抱きしめられる。

「行かないよ、合コンは」

「...うん」

おでこのあたりに羚汰の唇が当てられ、羚汰を見上げる。

「稜が心配してくれて嬉し。スグ帰るから心配しないで」

「...心配してないよ」

羚汰が稜の唇をいつものように親指でふにふにと触っていたが、その手が止まる。

「えー。してないの?」

「うん」

嘘だ。本当はすごく心配。

そのことが顔に出てしまっていたのか、眉間にシワがよっていたらしい。

ふっと笑った羚汰がそのシワを撫でる。
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