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NEXT 【完結】
第61章 お花見
「えっ」

あの兄弟、凄く可愛いのに。

「だって。あれ、お父さんが寂しそうじゃん?」

確かに、お母さんの両脇に兄弟がべったりしていて、お父さんは離れてぽつんと座ってお茶か何かを飲んでいる。

確かに、少し寂しそうではあるが。
やれやれといったカンジにも見える。

「あれ、絶対『取られたー』って思ってるよ」

?さっきまで遊んでいたのに、座ってた母親のがいいのか。ってこと??

「俺なら絶対、2人に混じって取り合いするね」

んん??

疑問に思っていると、羚汰が抱きついてくる。

「俺、きっと自分の子どもでも嫉妬するわ」

いつの間にかいつものように後ろからぎゅうっと抱きしめられて、耳元で囁かれる。

分からなかった意味を徐々に理解して、顔と体がアツくなってくる。

でも、それなら逆に女のコだったら、羚汰が取られるってことだろうか。

そう考えて、余計に恥ずかしくなる。

そんな家族になって子どもたちに囲まれている光景が、凄く嬉しくもあり。
そんなことを想像することが、気が早い気もして。
思ったけど、口に出せない。

見つめる羚汰の目が妖しく光っている。
その光に吸い込まれそうだ。

「...羚汰、恥ずかしい」

「誰も見てないって」

手で顔をぐいっと向けられていて、今にも唇が触れそうだ。

吐息がかかる位置までゆっくり近づいてー。


「うわっ。見ろよキスするぜー!」
「マジマジ!?」「どこどこ!?」「どれどれ?」
「ひゃーーカップルうぜーっ!」「見たくねーっ」
「えっ、俺見たい」「ああ、あれか」
「くっつきすぎじゃね?」「どこ、見えない」
「おめっ、自分したことないから」「おめーもだろっ」

背後から中学生らしき5、6人の集団の声がして。
稜が慌てて、顔を背ける。

「ああ、やめちゃったー」「残念」
「向こうフランクフルトあったぜー」
「おめ、エロっ」「はっ、何が」「おめーバカだろ」
「俺たこ焼きがいー」

ゾロゾロと屋台の方へそのまま流れて行った。

「...びっくりした」

「稜、続きは?」

立ち上がろうとする稜の手をつかむ。

「ええっ。ほら、だって、もう時間が、ね」

向こうに向かっているとはいえ、まだあの中学生が振り返ったりしてるし。ほかの人の目もある。

ちっ。

羚汰の舌打ちが聞こえた気がしたけど、気にしない。
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