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第62章 花見という名の宴会
「これ。鯛焼き」

「えー。ありがとう。何もいらないって言ってたのにー。うわっ、重っ」

四角い大きな箱2箱にぎっしりと入った鯛焼きは、相当重い。

「ごめんね。まだちょっと早くて。その辺座ってて」

「あ、手伝うよ」

「ほんとー?助かるー」

倉庫に連れていかれて、そこに畳んであった長机を一緒に出すようにお願いされる。

「早く来てくれて助かった。まだみんな仕事で。手が足りなくてー」

花見のシーズン真っ盛りで、仕出し料理屋のお弁当は毎日のように沢山注文が入っていて。
今日は都合により早仕舞いなのだが、義両親や弟さん妹さんは、各場所への配達からまだ帰ってこないらしい。

「あ。じゃぁ、貴之くんも?」

姿が見えない千夏の旦那さんも、そのお手伝いをしているのだろうか。

すると、途端に千夏の機嫌が悪くなる。

「そう!それ!ちょっとー、聞いてよぉ!!!」

机を運びながら千夏が憤慨している。

「今日はもう随分前からこの宴会決まってんのに、ゴルフ行ってんのよぉ〜!?」

「仕事なんでしょ」

先に聞いているのか、横から有希子がなだめるように、周りを気遣うように入ってきた。

親戚のおばさんらしき人たちの存在を思い出したのか、千夏の声のトーンが少しだけ下がる。

「そうなんだけどぉ〜」

会社重役の人たちのゴルフに、貴之の直属の上司が行く予定だったのだが、数日前からその上司の人がぎっくり腰になったとかで。
急遽、ピンチヒッターとして呼ばれたらしい。
思わぬ重役さんたちとのゴルフに、嬉々として出掛けてしまったー。

「朝はっっっやく出掛けたわ。3時過ぎか4時には帰るらしいんだけど、そんなのもうこっち終わる頃じゃん?」

声のトーンは落ちたものの、ぶりぶりとお怒りは収まらない。

「千夏さーーーん」

家の中から誰かが呼ぶ声がして、千夏は声をコロリと変えて返事をしながら家に入っていった。

残された4人は、互いの顔を見合わせながら苦笑するしかない。

「あれ。子どもたちは?」

机を拭きながらふと稜が気づくと、さっきまで走り回っていた子どもたちが庭にいない。

「あー、さっき、貴之さんの弟さん?て人が帰ってきて、近所の探検行くぞって連れ出してくれてる」

近所のおうちに、動物好きの御夫婦がいて。
そこの御夫婦も宴会に参加するらしいが、そのお家に遊びに行っているらしい。
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