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第62章 花見という名の宴会
「ごめん。手伝うよ」

納屋に空き瓶を運んで、同じく納屋にある専用の冷蔵庫から冷えたビールを各テーブルにまた運ぶ作業だ。

「千夏、そろそろ羚汰が帰んなくちゃなんだけど...」

納屋に入った時を見計らって千夏に耳打ちをする。

「あ、もうそんな時間〜?貴之遅いなぁ」

車で帰ってくる貴之に羚汰を駅まで送ってもらうようになってはいる。
でも、遅いようならタクシーでもいい事を伝えるも、千夏は時間より遅い貴之が気になるらしい。

電話を取り出しかけてみている。
長めにコールしても出る気配はなさそうだ。

「もーほんと、ムカつくわぁ!何してんのよもう。もう帰って来てもいい頃なのに!」

電話を鳴らしながらぶつぶつ言っている千夏をなだめようとしていると、何度目かでやっとつながったらしい。

「あ、やっと出た!」

どうやら、もう車を止めるところまで帰ってきているらしい。

「ごめん、ちょっと行ってくる!」

さっきまで凄い形相だったのに途端に笑顔になる千夏に、稜は笑いがこみ上げる。

代わりにビール瓶を出すように頼まれ、冷蔵庫から出していると、千夏が慌てて出ていったのを見た羚汰が手伝いに来てくれた。

「稜、手伝うよ」

「ありがとう」

手伝いに来てくれた羚汰の足元には、子どもたちが3人くっついていて。
その子たちもお手伝いしてくれるらしい。

大きなビール瓶を持たせるわけにもいかず、缶チューハイなどを運んでもらう。

各テーブルにビールを運んでいると、ゴルフバッグを持った貴之と、ボストンバッグを持った千夏がその宴会に顔を出す。

気づいた人達から歓声があがっている。

「おー!おかえりー」「遅いぞ〜!!」
「やっと帰ってきたのか!」「ゴルフはどうだった?」
「ほら、ここへ座ってー」

などと、もう完全に出来上がった人たちに、一斉に声をかけられている。

「あー、ちょっと着替えてきますね」

会社の偉い人たちとのゴルフだったせいか、貴之はジャケットを着てかなりかっちりとした服装だ。
ゴルフの用意も片付けないといけないからと、新居に消えていった。

大人たちは、大して気にした様子もなくまた宴会に戻っている。

稜は、内心ヒヤヒヤしていた。

なんなら、そのまま羚汰を駅まで送ってくれたらいいのにー。
でもまあ、仕方ない。まだ間に合う。
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