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第62章 花見という名の宴会
着替えて出てくるのにそんなに時間はかからないだろう。

千夏の代わりに、色々頼まれものを取ってきたりしてバタバタしてしまう。

時折新居の方へ目をやるもなかなか出てこない。

羚汰はまた子どもたちときゃいきゃい遊んでいるようで、時間を気にしているのは稜だけのようだ。

確かもう1本電車を遅らせてもなんとか間に合うって言っていたし。
羚汰も楽しそうにしてるし、ね。

とりあえず貴之が帰ってきたらお願いをしようかと気にしながらも、稜も座って有希子たちとしゃべっているうちに、ゆうに30分程経った。

流石に心配になって新居の方へ向かう。
玄関のドアに手をかけるも、鍵がかかっているようだ。

?何してるんだろ。

千夏に電話をしようかと玄関先で携帯を取り出していると、ガチャリと音がして貴之が出てきた。

「おっ」

「あ!」

がくっと普段着に着替えた貴之が出てくる。

「どうも...」

なんだか気まずそうにしているのは何故だろうと一瞬気になったがそんなことよりー。

「こんにちは。あの、羚汰を駅まで送ってもらうのお願いをしたくて」

「あ、ああ。聞いてる聞いてる」

よかった。で、羚汰は今どこにー。

離れである貴之と千夏の新居のドアからは、庭が見渡せる。

「そうだ。俺、ずっと高崎さんに会ったら謝んなきゃと思っててー」

??

年上の貴之が頭を下げる。
突然の貴之の申し出に、何のことかさっぱりわからない。

何故か耳元に少し近づいてそこで話す。
背の高い貴之は、少し身をかがめる。

「その、内山先輩の件...」

内山先輩?内山って誰だっけ???

「...ああ!!」

思い出すのに時間がかかった。

貴之の高校時代の先輩で。
貴之と千夏の結婚式の時に会って、その後何度かデートしたものの。
実は離婚が成立していないということが分かってー。

すっかり忘れていた。

「高崎さんに会ったら謝ろうと思ってて。すいません」

「そんな!もう、すっかり忘れてましたよ!」

もはや半年近く前のことになる。
確かにあの時は衝撃だったが。
今は...。

さっきから探していた羚汰の姿をおっちゃんたちの中に見つける。
その視線を貴之も追ったようだ。

「よかった。...ていうのも変かもだけど。今はもう心配しなくていいみたいですね?」

「...はい」

なんだか照れくさい。
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