この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第65章 unmoral
「...ごめん。追い詰めるつもりはナイんだ。さっきの話を聞いて、なんとなく言いにくいのはわかったしー」

稜は首を横に振る。

「それもあるけど。ウチのとこ、田舎だから。同棲とか、あんまりヨシとしないっていうかー」

特に我が家の両親がだと思うのだが、古くて固い。
口に出して聞いたことはないが、婚前交渉がどうのって言いかねないぐらいの勢いだ。

「両親に同棲してることを言ったら、たぶん今すぐ会わせろってなると思う。...羚汰がどうこうって理由じゃなくて、その...また反対されたり、揉めたくない、の」

3年前、孝佑との事で散々揉めに揉めて、大喧嘩を繰り返した。
それから2年近く決別状態で。
初代カイの老衰のことがなければ、まだその状態が続いたかもしれなかった。

「...うん。わかった」

羚汰の手が伸びてきて、頭がぽんぽんと優しく叩かれる。
その手が暖かくて、涙がまた出そうになる。

「...同棲してるのは、まだ言わなくてもいいけどさ。付き合ってるのは、言って欲しいな」

伏せていた顔を持ち上げて、羚汰を見る。

哀しそうな目と視線があって、その想いに気付かされる。

苦しかったのは羚汰も一緒かもしれない。

確かに、羚汰とのことを隠しさえしなければ、見合いの話もなかった訳だし。
羚汰をここまで苦しめることもなかったかもしれない。

「わかった。言うよ!」

年下でまだ学生だと言ったら、驚くだろう。
その反応が怖い気もするが、これ以上隠すのももう限界だろう。

「...それでも、会わせろってなるかも」

「いいよ。俺は準備があるから、稜の決心がついたらいつでも会うよ」

羚汰の指が髪を撫でて、その毛先を掬う。

どこまでこの人は優しいのだろう。

胸の奥がぎゅうっと苦しくて、やっぱり涙が滲んでくる。

「...ごめんね」

「なんで稜が謝るの」

「だって...」

羚汰がこんな風に誤解をしてしまったのは、元はと言えばほとんどが稜が撒いた種だ。

貴之が泊まったのだって、前に聞かれた時に彼氏だと誤魔化したのがいけなかった訳だし。
部屋のことだって早めに両親に伝えさえすれば、両親と揉めたとしても、羚汰を苦しめることは無かった。

「謝るのは俺の方だよ。勝手に誤解してごめん」

羚汰の手が、稜の手を包むようにして重なる。
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ