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NEXT 【完結】
第66章 トケル
「...信じてくれる?」

今更ながらそう尋ねると、にっこり笑った。

「千夏に電話しようか?」

「そんな、ワザワザいいよ。...でも、いつか会ったとき、聞いてもいいかな?」

「もちろん!!」

今電話してもいいのに。
というか、まだ信用しきれてないのかな。
やっぱり電話をー。

携帯を探そうと立ち上がりかけると、掴んだ手で止められる。

「稜...。ぎゅってしたい」

上目遣いで羚汰にそうお願いされて、返事より先にその頭をぎゅうっと抱きしめる。

羚汰が、ふっと小さく笑ってから稜の背中に腕を伸ばして、そのまま抱きついた。

互いの体をきつく抱きしめて、その熱を確かめ合う。

「羚汰...。大好き」

「うん。俺も。...稜が大好き」

体をそっと離して至近距離で見つめ合う。

そのまま、稜が唇を近づけようとすると、羚汰の手でふさがれる。

「んむっ」

「だーめっ。風邪がうつっちゃう」

にやりと意地が悪そうな笑いを浮かべている。

「えー。うつるなら、もうとっくにうつってない?」

昨日一晩、同じ部屋に寝たのだから。

「治ったら、いっぱいしよ」

釈然としないまま、抱えていた羚汰からゆっくり離れ、ソファに座り直す。

「あ、プリン...」

テーブルの上には、すっかり忘れていたプリンが乗っている。

2人で笑って、それぞれのプリンを食べはじめる。

「ぬるっ」「ぬるい」

同時に口に入れて、同時にそう発していた。
顔を見合わせて笑う。

冷蔵庫から出して、もう何時間も経ったプリンは、完全にぬるくなっていた。

それでも笑いあってそれを食べた。

「羚汰のそのチョコのやつ、ちょっとちょーだい」

「だから、ダメだって」

「えー。ケチ〜!」

「ケチじゃなくて、風邪がうつっちゃうんだって」

「いいもん」

「だぁーめ〜!」

じゃれあって食べすすめる。

稜のプリンは残りが少なくなっていたので、すぐなくなる。
取られまいと、少しだけ背を向けている羚汰にまた抱きついた。

羚汰も食べ終わり、テーブルの上にカラを置くと、稜の体を抱きしめ直す。

今度は、羚汰の胸に稜が顔を寄せるカタチだ。

羚汰の心臓の音がして、髪が撫でられ、気持ちがいい。
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