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第66章 トケル

笑う稜の体を、パジャマ越しに羚汰の手がまさぐり始めた。

「ん、羚汰？風邪引いてた、んじゃなかったの？」

「もー治った」

羚汰もくすくす笑いながら、稜の顔のあちこちにキスが落とされてゆく。

「うそ...っ、はぁ」

ほんの数時間前までは、キスするのも許してくれなかったのに。

「ほんと」

目が合うと、にいっと笑ってそのまま唇が重なる。

ゆっくり何度も啄むようなキスが落され、それから下唇や上唇に優しく吸い付く。
唇が薄く開いて、いつ入ってくるかと待ち構えてみるも、なかなか舌が入ってこない。

稜が自分から舌を出そうかと思っていると、唇が離れていく。

「ぁ...」

そんな稜を見透かしているのか、羚汰がふふっと笑って、親指で唇をぷにぷにと触り出す。

「はぁ...」

濡れた吐息が羚汰の指にかかる。

「...キス、したかった？」

こくこくと何度も頷くと、より嬉しそうな羚汰の顔が近づいて、また唇が重なる。
稜の吐息ごと吸われて、濡れた舌が触れる。

舌先で何度もつつかれ、次第に深く絡まってゆく。

稜も必死に追うようにして求め、腕も羚汰の首に絡める。

「んっ...んふっ」

羚汰の手がワンピースの下から入ってきて、太ももを撫であげる。
その手が肌に直接触れる感覚に、体が軽く反るほどの快感が広がる。

それからそっとその服をめくるように這い上がり、あっという間に胸が顕になる。

唇から離れた羚汰の舌が、べろりと胸の中心を舐め上げる。

次第に片方の胸に近づきながら、稜の服を頭から抜き取った。

見つめ合いながらまたキスを繰り返す。

稜も羚汰の腰に手を回し、スウエットを引き上げようとする。
それに気づいた羚汰が体を少し起こしたので、一気に持ち上げて引き抜こうとする。

最後まで上手く脱がせることが出来ず、羚汰が笑いながら自分で脱いだ。

「りょーう！」

「きゃっ、ごめんね」

上半身裸になった羚汰が、くすぐるように覆いかぶさる。

肌と肌が触れて、そのフィットする感覚に体が熱くなる。

「だって、いつもとパジャマが違って」

いつもは、お揃いのシャツタイプのパジャマを着ているのだが。
羚汰はおそらく何度も着替えたからか、以前のスウエットを着ていて。
稜も、前に着ていた少し長めのワンピースを着ていた。

くすぐっていた羚汰の指が、やさしく体を這いだした。