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NEXT 【完結】
第66章 トケル
「そんな顔しないで。つづきがシタくなんじゃん」

そう言う羚汰の瞳もなんだか色っぽくて、まるで誘ってるかのようだ。

そんな顔が近くてなんだか照れてしまう。

思い切って、横向きのまま体を丸めて、顔を羚汰の胸に近付ける。

羚汰の腰に手を伸ばす。

「ふふ。くすぐった」

そう言いながらも、羚汰の手がまた頭を撫でる。

その手の温もりが、体を熱くしそうで、必死に目をつぶる。

羚汰のいい匂いに包まれてなんだか安心し、体の力が抜けていくのがわかる。
次第にゆっくりとした羚汰の手の動きも心地よい。

ここ数日の心配疲れもあって、稜はいつの間にか深い眠りに落ちていた。



ぎしっという音と、ベッドが揺れる感覚に目が覚める。

「んー?」

「ごめん。起こした?」

羚汰がベッドに腰掛けて、これから布団に潜り込むところだ。

「...どうしたの?」

「いや、のどが渇いたから、水取ってきただけ」

サイドテーブルに飲みかけの水が見える。

稜は手を広げて、羚汰を迎える。

小さく笑いながら羚汰も素直にその腕の中に入ってきた。

その体を抱きしめる。羚汰の腕もまとわりついてくる。
布団から出ていた羚汰の体が、ほんのり冷たい。

胸の上にある、羚汰の頭に頬ずりした。
羚汰は、稜の胸に顔を寄せている。

「...あったかー」

「風邪の具合はどう?」

「もう咳も出なくなったし、大丈夫じゃないかなー」

そういえば、昨日からほとんど咳を聞かなかった。

「昨日は1日ずーーーっと寝てたからね」

羚汰がそう言い終わる前に、ガタガタっという音が階下から聞こえる。

まだ明け方だというのに。
下の住人が夜勤バイトから帰ってきたのだろう。

その音に羚汰が思い出したらしい。

「そうそう!稜が言ってた、下のヤツのキモい声、昨日初めて聞いた〜!!」

「あ!そうなの!?」

下の住人カップルの、特に男性の方が激しく雄叫びを上げるような声を出す騒音問題はまだ続いていて。

彼らが引っ越した当初よりは少し頻度も下がっていて。
時間帯が合わないのもあって、羚汰は幸か不幸か聞いたことがなかった。

それが、昨日のまだ日も落ちきっていない頃に始まったらしく。
羚汰がバッチリ聞いてしまったらしい。

「あれはヒドいわ〜。マジでトドか、それかオラウータンか、みたいな」

「ふふふ。オラウータン?」
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