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NEXT 【完結】
第70章 実家
背広を脱いで、ネクタイを緩めて後ろに回して、飛びかかっているカイとじゃれあっている。

カイは興奮状態で、羚汰の顔をベロベロしている。

そんなはしゃいだ状態の中、カイにはご主人様となる母親の顔がチラリと見えたのだろう。
明らかにバツの悪そうな顔をして羚汰から離れて。
それから、母親にも愛想を振りまきだした。

稜はティッシュを取って、カイの涎だらけになっている羚汰に手渡す。

「大丈夫?顔もだけど、スーツも」

確か、アキラさんに買ってもらったお高いブランドスーツだった気がする。

「うん。...可愛いね。稜が溺愛するのもわかる」

羚汰がスーツに飛び散ったカイの毛を払いながら立ち上がる。

「?溺愛?」

溺愛しているのは両親で、稜はそこまでではない。

「いっつもスマホ眺めてるじゃん」

定期的に母親からカイの画像が送られてきていて、確かにたまに眺めている。

「何の写真かと思うぐらいいい顔して見てるよ」

「え、そう?」

「うん。妬けるぐらい」

そんなに?笑いながらそう言おうとして。
羚汰が意外と真面目な顔でじっと目を見据えてきて、ドキリとする。

恥ずかしさを誤魔化そうと、大きなメロンの一欠片を口に入れる。

「っ...」

慌てて入れたので、口から果汁が溢れそうになってますます慌てる。

羚汰が笑いながらティッシュを差し出してくれる。

「はい。お父さん、お茶」

目の前にいつの間にか両親が座っていて、素知らぬふりだ。

稜は慌てて身を正す。
いつの間にか、2人でいる気になっていた。

しばし、お茶を飲んでの沈黙が流れる。
そこまで気まずいものではないが、やはり沈黙は苦しい。

何か言わないと。

羚汰を見ると、羚汰もどう切り出すべきか迷っているのか、チラリと目が合う。

「あの...。今日はお忙しい所、お時間作って頂いてありがとうございました」

キリリとした表情の羚汰が、意を決して話し出す。

羚汰に任せっぱなしでいいのだろうか、自分も何か話した方がいいのだろうか。

稜は頭の中でぐるぐると考えが回る。

「いや...」

「僕がいい歳して学生で、卒業までは稜さんには待ってもらう事になるんですけど。来年就職して落ち着いたら、またご挨拶に来させて下さい」
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