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第72章 宿の朝
明るい光に気づいて目が覚める。

カーテンが閉められていたが、黄色っぽい薄いカーテンなので、よく光を通しているようだ。

いつもと違う和室の景色に、旅館に泊まった事を思い出す。

それでも、羚汰の寝息がすぐ近くに聞こえて、いつもの朝だ。

あれから、稜が初めに寝ていた布団はシーツが見るも無残なぐらいぐちゃぐちゃになっていて。
そのシワが直してもどうにもならなかったので、羚汰の布団に2人して潜り込んだ。

小さな一人用の布団は狭くて。
いつもよりくっついて眠った。

その羚汰が寝返りをうって、掛け布団が外れている。
稜は、布団を羚汰にかぶせる。

ふと、首のあたりに重みを感じ、胸のあたりで何やら動いた。

そこに手をやると、身につけた覚えのないネックレスをしている事に気づいた。

「!!」

短いネックレスなので、自分からはよく見えない。
指先で触って確認すると、何やら手触りで石ではない、モチーフだろうかと思われた。

きっと寝ている間に、羚汰がかけてくれたんだ。

外して見るのもなんだか違う気がして、鏡を見渡す。

トイレがあったから、そこにないだろうか。

畳の上に散乱している浴衣を引き寄せて、そーっと布団から出ると、とりあえず羽織った。
自分が着ていたのではなく、羚汰が着ていたやつだろうと思ったが構わないだろう。

手で前を合わせて、もう片手はネックレスを掴んでトイレに移動する。

小さな様式のトイレには、タンクの上に手洗いがあるタイプで。
鏡はなさそうだ。

ぐるぐると見渡していると、縁側になっている所に、洗面台を見つけた。

寝ている羚汰の横をまたそーっと通って、その洗面台に向かう。

壁に小さな洗面と、その上に鏡がついている。
コップや使い捨ての歯ブラシが並んでいて。

壁の反対側には、小さな冷蔵庫があって。
そういえば、時折機械音がしていた。

明るいカーテンからの光で、そこら一体は眩しいぐらい明るい。

鏡に近づいて、ネックレスを見る。


反転しているが、シルバーで“R”となったトップが見えた。

筆記体のように、少し崩しているアルファベットの左上のあたりに丸があり、そこにチェーンが通っている。

指でそっとその書き順をなぞる。

手作りだろうか、シルバーの質感が指先で感じられた。


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