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第72章 宿の朝
「もうダメ。起き上がれねー」

少し笑うように羚汰が呟いていて。

その言葉通り、体を起こす気配がない。

「...え。大丈夫?」

「このままちょっと寝ちゃおうっかー」

「ええっ。このまま??」

繋がったままなので、稜の大きく広げた足の間を、羚汰の体が覆いかぶさったままだ。

「...はっ。ダメかー。ダメだよな」

自分に言い聞かせるように羚汰が体を起こして、稜を見つめてその唇にそーっとキスを落とす。

急激に去る羚汰に、稜の体にぽっかり穴が空いたようだ。

「ティッシュ足りっかなー」

部屋に置いてあった箱ティッシュを、羚汰がいくつか持ってきて体を拭いてくれる。
明るい光の中で拭いてもらうのは恥かしいが、それぐらいも出来ないほど稜も疲れていた。

「お風呂、入りに行こうよ...」

部屋に風呂は付いていないので、大浴場に行かないといけない。
確か、大浴場は、朝6時から開いていて。
昨晩と男女が入れ替わりだった筈だ。

「んー。でも、もう朝食行かないとヤバイかも」

チェックアウトは10時で。
朝ごはんもお風呂も9時までだ。

羚汰がスマホの画面を見せてくれると、もう8時は回っている。

「ええっ。もうそんな時間?」

「稜、風呂が長いから、無理じゃね?」

そう言う羚汰をなんとか説得して、大慌てで用意し、お風呂経由で朝食に向かうことにする。

浴衣はー、もう着れそうにない。

汗ばむ体に洋服を着て、着替えも持ってバタバタと移動した。

男女入れ替わりで、お風呂の様子が違うようだが、そんなのを見ている暇はない。
後ろ髪を惹かれながら、シャワーを済ませて、化粧もせず食堂へと向かう。

先に来ていた羚汰が、もう人が少なくなった食堂で稜を待っておばちゃんと雑談していた。

稜の登場に2人でにやにやしている。

「ほな、お味噌汁つけてくるわ〜」

そのおばちゃんが、今は一人なのか厨房に去っていった。

「...何を話していたの?」

「んー?よく眠れたかって聞かれたからさ。眠る暇なんてなかったよー。って答えといた」

!!!

なんてことを!

真っ赤になりながら、お箸を小鉢に入ったサラダに伸ばす。

「稜?ドレッシングはいいの?」

そう笑って聞いてくる羚汰の声も耳に入らないほど、黙々と食べた。
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