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Cynical moon〜冷たい月
第1章 百貨店の男
「有馬さん、さっきの売り場の女性と何か関係あるの?」

貴子が突然有馬に尋ねた。

「え?先ほどの女性ですか?」

有馬は正直に言おうか嘘をつこうか迷った。

「プライベートな事よね、ごめんなさい」

貴子は真っ直ぐ前を向いて言った。


「いえ、彼女とは…彼女は、以前までは友達以上で恋人未満なような…今は友達…後輩です。」

「ふふふ。分かったわ。」

貴子は、
「今日は欲しいものないわ。ありがとう。」

そう言い帰ろうとした。

「貴子様、よろしければ先日のお礼に…」

「いいわよ。」

有馬は嬉しそうな顔をして

「すぐに帰り支度をして参ります。」

そう言い着替えに出掛けた。



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