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少年悪魔
第9章 苛立つ心

*
学校祭を一週間後に控えた日。お化け担当が衣装の試着をしているため、放課後のクラス教室内では着替えの済んだ生徒が着心地や動きやすさの確認をしていた。
「じゃーん!猫娘!」
猫耳カチューシャと、猫の前脚に見立てた手袋をはめた雛乃がくるりとその場で一回転する。
「わ、ヒナ、可愛い!似合ってるよ!」
「ありがとー!繭は幽霊?」
「うん。でも着物って着慣れないから何か疲れるよー」
左前になっている白い着物、頭には天冠といかにもな格好の繭が裾や袂を気にしながら手近な椅子に座ると、突然、廊下から黄色い声が上がった。

