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少年悪魔
第15章 苦悩
礼也がソファーから立ち上がり、遥斗の自室のドアの前に立つ。
「…ハル。繭ちゃんを諦めたくないなら、一つだけ、方法がある」
ドアの向こう側にいる遥斗に、礼也が話し掛けた。
「エリーが昔、俺に教えてくれたんだよ」
「昔…?」
か細い遥斗の声が、ドアの向こうから聞こえた。
「俺も、高校生の時、お前みたいに大好きな女の子がいたんだ。俺が悪魔だって知っても、変わらずに接してくれた、優しくていい子だったよ」
普通の子だったんだけどね、と礼也が優しい声で語る。