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少年悪魔
第17章 少年の迷いと、少女の決意
*
それは昨夜のことだった。
エリーから話を聞いた繭は、それから一晩中考えていた。
遥斗のために、自分には何が出来るのかを。
遥斗はきっと、自分を死なせるなんて選択はまず嫌がるだろう。
ならば遥斗に残された選択肢は二つ。
繭を諦めるか、記憶の条件を呑んで人間になるか。
遥斗を自分に置き換えて、繭は考えた。
自分なら、諦めたくないし、記憶を無くされるのはつらい。
それは何故かを考えてみる。
諦めたくないのはどうして?
――遥斗が好きだから。
記憶を無くされるのがつらいのは、どうして?
――自分に向けられていたはずの想いが消えることに耐えられそうにないから。
だから、どちらもつらい。