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少年悪魔
第3章 マーキング
*
――何となく目に入っちゃうな。
今まで気付きもしなかったが、まだ明るい時間帯でも、意識を向ければたしかに薄暗くなっている路地や何となく活気のないアーケード通りなどに悪魔はいた。
おどろおどろしい姿のものもいれば、可愛らしい姿のものもいる。
彼らは繭に気付くが、目が合っても襲うわけではなく、遠巻きに見ているだけであり、結局その日の帰り道は悪魔に襲われずに済むことができた。
だが、効果があったとはいえ、繭はあのマーキングを毎日受けることには気が進まなかった。