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少年悪魔
第5章 青年悪魔



六時間目の授業後、片付けに手間取ったせいで理科室を出るのが遅くなった繭は、人の気配もなく、日当たりの悪い位置にある校舎の薄暗い廊下を歩いていた。


「うっわ、本当にいたんだ」


いつの間にか目の前には背の高いスーツ姿の青年が立っていた。
入校証を首から提げている。OBだろうか。
青年が無遠慮に繭の全身を眺める。

(…なんなの、この人)

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