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監禁DAYS
第2章 今すぐ返して
「全部お前の所為だからなっ!」
 記憶の中のクズが唾を吐き散らしながら怒鳴る。
 パステルピンクのスカーフを私に投げつけて。
 妹が誕生日に用意していたという指輪をはめた拳が飛んでくる。
 強い衝撃が頬に走った。
 よろけた私にさらに罵声が突き刺さる。
「お前が代わりになればよかったんだ」
 ズキンズキンと、嫌な痛みの余韻。
「……ね」
「あ?」
 私は背筋を伸ばして目尻が痛くなるくらい目を見開いて男を睨みつけた。
 今から吐く毒の言葉で命をも奪うように。
「死ね」

 ハッと夢から覚める。
 額に汗が滲んで、息が乱れている。
「どこだっけ……ここ」
 手足が痺れている感覚で、縛られていたことを思い出す。
 ああ、そうだった。
 確か、ここは……
「やっと目が覚めたか? 随分うなされてたな」
 横になった視界で、男の脚が近づいてくる。
 目線をあげると、サングラスをかけタオルを頭に巻いた男がいた。
「先に……お風呂入っちゃったのお? 一緒に入りたかったのに」
「ふざけたこと言ってんじゃねえよ。お前は寝てる間に洗わせてもらった。服は替えてないけどな」
 自分の身体を見下ろすと、確かに来た時と同じ格好だった。
 交わった時の乱れは直されていたが。
 コトリ、と目の前に盆が置かれる。
 上にはコンビニで買ったような菓子パンと紅茶のパックが乗せてあった。
「食えるか?」
「なにそれ、縛られた相手に対しての新手の言葉責め?」
「食欲の話だ」
「えっ。食べさせてくれるの?」
 少し意外そうな声を上げると、男も驚いたように眉を上げた。
「別に飢え死にさせる気はない」
「そお……じゃあ、口移しで」
 パンと頭を叩かれる。
「調子に乗るな」
「いっだ!」
 でも、夢のアレよりは痛くない。
 壁に縄を固定させられて、脚を踏まれながら食べさせられる。
 パンは千切ってくれるわけではない。
 がぶりと噛みついて食べ進める。
「檸檬クリームパン、か。今月の新商品だっけ。あんまり美味しくない」
「わがまま言うな」
 むう、と頬を膨らませながら紅茶をねだる。
 ストローで音を立てて吸う。
「ん……御馳走様」
「もういいのか」
「この身体を維持するの大変なの」
 そういって身体をくねらせる。
「また依存症が出たか?」
「もう少し大丈夫。でも限界来たらまたお願いね」
「ふざけた人質だ」
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