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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第5章 ☆♯03 SceneⅢ(SeaSide~海辺にて~)☆
 どれくらい経ったのだろう、視線に気付いて顔を上げると、ガラスのテーブルを挟んで向かい側に座った男が物言いたげに自分を見ていた。
「やっぱり退屈かな、俺といると」
 投げやりにも聞こえる言葉を口にした晃司の表情は、どことなく淋しげに見える。
 美月が何も言えないでいると、晃司が自嘲気味に笑う。
「さっきから俺が何を話しかけても、まるで上の空で、ろくに聞いてないだろ?」
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