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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
既に午前一時になっていた。美月はゆっくりと首を振る。
「良いの、私、やっぱり帰るから」
勇一がすかさず言った。
「じゃあ、家まで送っていくよ。こんな時間に女の子を一人で帰せない」
かつては自分よりも背の低かった教え子に〝女の子〟と言われたことが美月にはくすぐったかった。
「私なら大丈夫だから、心配しないで」
美月はできるだけ明るい笑顔をこしらえて、元気よく言った。