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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
 勇一はしばらくうつむき何事か思案に耽っているように見え、二人はしばらくの間、口をつぐんだまま歩いた。交差点まで来て、横断歩道の手前に佇む。この時間とて信号は点滅しているが、勇一は渡ろうともせず、その場に立ち尽くしたままだった。
 流石に、周囲を行き交う通行人はない。時折、車が傍らを通り過ぎてゆくだけだ。
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