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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
このセーターは、本来はもう少し先の季節―冬に着て貰うつもりで編んだのだが、勇一はよほどこの予期せぬプレゼントが嬉しかったらしく、もう早々と身につけている。贈り主の美月としては嬉しい限りだけれど、九月からセーターを着込んでいては、いくら何でも暑かろうと思う。
―せめてもう少し寒くなってから、着たら?
美月がどれほど言ってみても、勇一はこれだけは譲らなかった。