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お憑(つ)かれさん
第9章 自己刑罰の女
交差点のひしゃげたガードレールの側には、あの夜と同じように派手な身なりの女性霊が寂しげな表情で佇んでいた。

私が声をかける直前、急に何かに気づいた彼女が見た方角に目を向けると、庸介君と知らない男の人が歩いて来る。

庸介君に示されてこちらに顔を向けた男の人は大きく見開いた目を次の瞬間 眩しそうに細め、
「償美!」
と叫んでこちらに駆けてきた。

驚いて横を見ると、彼女の姿が陽炎のようにゆらゆらと浮かび上がっている。

庸介君からの視線を痛いくらいに感じるけど、私だってわけが分からな…ああッ!もしかして―――…




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