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お憑(つ)かれさん
第4章 思い出の彼女
ガサツだとか男オンナだとか、そんな事は断じて無い。

中山さんはいつだって周りに気を配っているから、自然に人助けが出来る。

飼育係が餌やりと水換えしかしない文鳥のカゴの糞を掃除してくれていたのは中山さんだし、体験学習で訪問介護に行った家でグループの皆が脱ぎっぱなしにした靴を黙って揃えてくれたのも彼女だった。

それに、電車でお年寄りに席を譲ったり、横断歩道で小学生の手を引いてあげたりするのは日課みたいなものだ。

クラスの誰よりも優しくて女の子らしいのは中山さんだと僕は思っている。




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