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ギルディ~S系エリートと鳥籠の令嬢~
第17章 溢れる愛しさ―帝side-
「戻ったぞ」
俺が資料室に戻ると杏はしゃがみ込んだまま俺の上着を抱き締めて眠っていた。
「仕事中に居眠りとは呆れるな」
俺は杏の頬に手を掛け、寝息を立てて熟睡する杏を至近距離で眺める。
今まで感じたのコトない感情が心の奥からこみ上げた。
杏を見ていると心が温かくなっていく。
当の昔に失った懐かしい温もり。
杏と亡くなった母親が重なる。
「杏・・・」
俺は眠る杏を抱き締めた。
自分の腕の中におさまる杏の小さく細いカラダ。
眠る彼女を抱き締めて母親との想い出に浸った。
出生の秘密を知った時は母を恨んだが。
オトナになった今は母の秘めた心情ばかりが気になる。
罪の子である俺を産んで母は後悔してなかったのだろうか?
俺が居なければ…実の父親との縁だって容易く切れたかもしれないのに。
俺の存在が母の短い生涯をダメにした。
俺が資料室に戻ると杏はしゃがみ込んだまま俺の上着を抱き締めて眠っていた。
「仕事中に居眠りとは呆れるな」
俺は杏の頬に手を掛け、寝息を立てて熟睡する杏を至近距離で眺める。
今まで感じたのコトない感情が心の奥からこみ上げた。
杏を見ていると心が温かくなっていく。
当の昔に失った懐かしい温もり。
杏と亡くなった母親が重なる。
「杏・・・」
俺は眠る杏を抱き締めた。
自分の腕の中におさまる杏の小さく細いカラダ。
眠る彼女を抱き締めて母親との想い出に浸った。
出生の秘密を知った時は母を恨んだが。
オトナになった今は母の秘めた心情ばかりが気になる。
罪の子である俺を産んで母は後悔してなかったのだろうか?
俺が居なければ…実の父親との縁だって容易く切れたかもしれないのに。
俺の存在が母の短い生涯をダメにした。