この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
朏の断片
第4章 #4
片桐は鍵をあけて上田を部屋に通すと踵を返した。
「とりあえず事務所に車置いてくるから適当に寛いでてや。すぐ戻るから」
事務所の車には練習に使う道具などが積み込んである。それを返して帰りは自分の車で戻る。
その間約十五分ほどだ。
いつもならば二十分だが今日は急いだ。
「ただいま!」
「……おかえり」
上田は適当な雑誌を見て寛いでいた。だがおかしなことにワンピース姿の少女がいない。
「あれ?」
代わりにいたのは至ってラフな男子的服装をした上田だった。
「何でわざわざ着替えたん!」
「何でって。別にアンタの前でまでミキでいなくてもいいと思って。……それともあっちのが良かった?」