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朏の断片
第4章 #4
上田がデートの装いからラフなスタイルになったので、片桐も思いきりラフなモードで気取るのをやめた。すなわち男の下着姿で部屋をうろつく。濡れた髪をタオルで拭きながら冷蔵庫を開けた。
「マサキ何飲む?」
「何でもい――」
「ビール?」
「……お茶でいいです」
飲み物を持って上田のところへ戻ると、サラサラの綺麗な髪が揺れて片桐を見上げた。
「何か着れば」
「えー。自宅やのに?」
「……別にいいけど」
明らかに目をそらす上田に片桐はニヤリとした。
「何や意識しちゃうん?」
「べつに」
魅力を最小限に押さえ込むような、色気もないと思われた上田のTシャツ短パン姿は、よく見ればそうでもない。そこから伸びる手足や首筋には何とも言えない色っぽさがある。
(ヤバイなぁ。襲ってしまいたいわ)