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朏の断片
第4章 #4


片桐が憤慨して見せると上田は静かに納得した。


「じゃあ俺からは誰にもしない」

「待て待て。俺にはしたらええねん」

「美希として?」

「なんでやねん」


話が噛み合わない。片桐のジレンマに上田は首をひねった。


「俺言うたよな?マサキが好きや。お前も俺を好きになれや」

「……えっと」

「壊したなるわ、」


首筋をなぞると上田の喉がなった。もうリミッターももたない、上田のせいだ。片桐は体重をかけて覆い被さる。


「片桐、」


何か言いかけた唇を塞いで吸い付くようにキスをすると、体の下で上田がモソモソと動いた。

ゆっくり撫で上げると、小さな声がもれる。


「好きやで……」


耳元に囁くと、小さく喘ぎながら上田が腕で片桐の胸を押し返した。


「片桐、凄い熱あるぞ。ぜんぜん治ってねえし!」


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