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第1章 1

今撮っている映画は、高校生の純愛もの
ときおり魅せる彼女の艶っぽい表情と無邪気に笑う子供っぽい笑顔のギャップが鍵になる
今撮っているのはベッドシーン
妖艶な表情...
まだ処女の加恋にはかなり難しい
今回は彼氏役がそのまま彼氏だからなんとかなると思ったのだが…

うまくいかないものだ

「そこって処女喪失の痛みの中にだんだんと気持ち良さが交わり最後には快感！って感じにできますか？」

「それができると一番だがそれができる若い役者はあまりいなくてなぁ」


てことは！それができればいいのかもしれないっ！

「すみません、ちょっと失礼します」
監督に断ってから
陸が加恋に
「少しいいか？」
なにか考え事をしている顔で呼び控え室に戻る

「加恋、おれは加恋のことを待つつもりでいたけど、どうする？今回のはちゃんと経験してないと難しいと思うんだけど」

「あたしもそう思う！あたしには映画大事だしこのままじゃいけないと思う。だから、陸」

「おれに初めてくれるの？」
あーおれの頑張りは演技に取られたかーと笑っていた
「そうと決まれば、監督に報告だな」