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理想と偽装の向こう側
第9章 衝動と不安
受賞式当日

私は、パーティーが終わった後の二次会に誘われてた。


安岡さんがメールで送ってくれた、場所に着いて入り口付近で待っていた。


遠目に、はしゃいでる集団が向かってきた。 

嘉之たちだ! 


いつもTシャツばかり着ている嘉之だが、流石に今日はスーツだった。


はうっ!やっぱり似合う~!
フォーマル着せたら、天下一品!なのになぁ~。


うっかり、腐女子モードが入ってしまった。


「渡辺さん、お待たせ!」


嘉之は、照れくさそうに鼻の頭を掻いていた。


「嘉之さん、おめでとう!」


「ん…サンキュー」


*****


「須永嘉之くん、最優秀賞受賞おめでとう~!」


「乾杯っ!!」


昔からの仲間も多いせいか、自分事のように喜んでいる。 


お店には申し訳ないくらい、大騒ぎである。


これがお店じゃなかったら、野球の優勝チームみたいにビール掛が始まってもおかしくない勢いだ。


「店に迷惑だから、静かにしろよ。」


当の本人が一番落ち着いていた。


余りテンションも高くなさそうだけど、何かあったかな?


片隅で大騒ぎの皆を、眺めていた。


安岡さんが


「渡辺さんもジャンジャンいってね!もう二度とないかもしれないから!」


「そんな!」


「おいっ!安岡!聞こえてるぞ!」


嘉之が笑顔で、言う。


いいな~仲間かぁ~。


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