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理想と偽装の向こう側
第9章 衝動と不安
三時間くらい飲めや食えやの大騒ぎの二次会も、お開きになろうとした。


このままだと、三次会か明け方コースだろう。


時計を見ると22時だった。


私はここで、帰り時かな。


安岡さんが


「渡辺さん!三次会行こうよ!」

「あ…私はここで…」

「え~!行こうよ~!」


他の人たちも言い出した。


どうしよう…明日は休みだし、飲めなくないけど…。


「おまえら彼女巻き込むなよ!俺、送ってくるから!」


そう言ったのは、嘉之だった。


「え…でも」


「おい!主役が居なくてどないする!俺が送るよ」


「お前ベロベロだろ~が!任せられるかよ!行くよ、渡辺さん」


「えっ!いや…でも!」


嘉之と三次会チームをキョロキョロ見たが、嘉之はドンドン歩き出してしまった。


「すみません!駅で別れますので!今日は楽しかったです!」


安岡さんが


「気を付けて~またね~」


手を振った。




「あ、あの!嘉之さん!まだ明るいし駅まで行けば大丈夫なんで、みんなのところに戻って下さい」


嘉之にやっとこ追い付いて必死に言った。


「渡辺さん、ちょっと散歩しよ!」


「えっ!」


この展開は、なんなんだ!!


悩んでいるうちに、嘉之は歩きを速めていく。


あ~!俺様に、着いていくしかないか!

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