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理想と偽装の向こう側
第9章 衝動と不安
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「とりあえず、おめでとう。ちょっと腑に落ちないけど。」


仕事後に最近行き付けの『Piazza』で黎子と待ち合わせした。 


嘉之と起きた出来事を簡潔に話しした。


「腑に落ちないって?」


「香織は、引っ掛からないの?」


「引っ掛かるか…ゴムのこと?」


「違うわよ!確かにゴムは、明らかにsexする気でいたからでしょうね」


改めて言われると恥ずかしくて赤くなった。


「肝心なこと抜けてない?」


「肝心…肝心な?」


黎子は大きくため息をついた。


「お互いの気持ち…言ってないし、聞いてなくない!」


「…あぁっ!!確かに!」


「そこ、肝心じゃないの」


そうだよね…恋愛抜きでも、sexは出来る。

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