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理想と偽装の向こう側
第9章 衝動と不安
「昨日コンビニで、買ったお菓子とかしかないな…」


「嘉之さん…?」


「朝メシってもう昼に近いけど。軽くていいならトーストと目玉焼きくらいならできんかな」


そんな会話を笑いながら、話しかけてくる。


やっぱり…現実だよね…。


二年間の片想いから急な展開で、頭が付いてイケてない…

けどゴミ箱に昨晩使用した、いくつかのゴムの残骸が生々しく物語る。


「ジュ~!!」


目玉焼きを焼き始めてる。


「あのさ~」


「はいっ!!」


「今週、受賞の関係で予定詰まってるんだけど、来週半ばなら落ち着くからさ」


「あっ…はい」


色々、動き出すんだ…。


「また飲もう。連絡するから後で携帯の連絡先教えて」


「え?」


「連絡先分かんないと、連絡出来ねぇじゃん」


嘉之は、笑いながら振り返った。


「は、はい!かしこまりました!」


「ぷっ、面白れぇ~な、香織」


嘉之は知らないであろうが今年の目標は、一気に達成された…
ちょっと許容範囲越え気味に…。

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