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理想と偽装の向こう側
第10章 信頼と疑惑
野菜スープと豆腐ハンバーグとお粥と、とりあえず胃に負担がなさそうなものを用意してみた。


お風呂から出てきた嘉之が


「旨そう…」


笑顔で言った。


「今日は、アルコール抜きでいいよね」


「あぁ…」


烏龍茶をコップに注いでテーブルに置く。


「お口に合うか、分かりませんが…」


「いただきます」


箸を持って両手を合わせた姿に、妙なところで礼儀いいよね…。


「味、大丈夫かな?」


「あぁ、凄ぇ旨いよ」


「ほ、本当に!?」


真剣に聞くと


「自分で、食ってみな!」


屈託なく、満面の笑みだった。


私しゃそれで、腹いっぱいだよ~。


それからはいつもの嘉之節で喋り出したので、ひたすら聞いていた。


ふと、思い付き


「締め切りいつ?」


「来週の金曜日」


一週間か…
私が持つかな…ダメ元で言ってみるか。


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