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理想と偽装の向こう側
第10章 信頼と疑惑
「渡辺さん!せっかくモテ期なんですから一花咲かせましょう!私協力しますのでお互い頑張りましょうね!」


おいおい!
勝手に人の人生決めるな!


「わ、私…自然に任せるからいいよ…」


「何を言ってるんですか!そうゆう人が気付いたら行き遅れになっちゃうんですよ!今一番女として売り時なんですからガンガン辺り構わずイッちゃって下さい!」 


「はは…ガンガンは…無理かな…」


てか嘉之たけで手がいっぱい、いっぱいだし。


「あっ!でも須永さんはダメですよぉ~!私、本命一本で狙いますから!」


今度は、ガッツポーズをした。 


「…そう…頑張ってね…」


好きにしてくれ…。


少し自棄気味になる。


それより、嘉之の昨日の態度が気になった。


元木さんの言葉を鵜呑みにしたってことなら、私の今までは何だったんたろう…。


嘉之は、私の何処を見てくれてたんだろう…。


負の感情が、ジワジワと沸き立つ…。


何か見えない亀裂が、少し入った瞬間だった…。

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