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理想と偽装の向こう側
第10章 信頼と疑惑
「よりよく知られているのがカマキリの…」


「わぁぁぁ~!分かった!それで結局、元木さんとどう繋がるの!」


頭がパンクしかけて、話を終結に向かわそうとしたが、 

「あらそう…カマキリの話は必聴よ…むしろ香織は見習うべきだわ。」


「え…そうなの…?」


「ふふふ…カマキリの共食い。カマキリは動くものは何でも食べる習性あって、メスのカマキリは交尾の前や最中、後に交尾の相手のカマキリを食べようとする。カマキリのオスは頭部がなくなると生殖能力が上昇するの」


「そうなんだっ!!」


初耳で、つい引き込まれてしまってる。


「メスのカマキリは、オスを食べることによる食物の獲得とともに、生殖の成功率を上げることができるから、この場合のカマキリのメスは自分の利益を上昇させると同時に、相手の利益を減少させるという点で利己的なの。つまり…」


「つまり…」


「香織は、カマキリメスと、働きバチどっちになりたいの?」


「はい~ぃ??」

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