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理想と偽装の向こう側
第22章 約束
ボールを持ったままの私に、小田切さんはキスしてきた。


「はぁ…志…信ぅ…」


顔を真横に向けて、強く押しあて唇が割られる。


「んっ…んん!」


舌を優しく絡められ、昨晩の余韻で身体が疼いてしまう。


脚の力が…抜けそう…。


ガクンッ!

身体が落ちる瞬間、小田切さんは腰を支えて手に持ってるボールは、システムキッチンの台に置く。 


こんな時も、卒がない…。


ガッチリ抱き締められて、キスは続く。


朝から…頭溶けそう…。


「クチュ…」


音を立てて唇が離れ、うっとりしてる私に


「香織…ベーコンとウィンナー…大丈夫?」


「…へ?」


振り向くと、フライパンからパッチンパッチンと弾けた音が聴こえた。


「わぁ~!焦げる~!」


「クスッ!支度してくるね~」


「はいぃ~!」


朝食作るのまで、スリリングだよ…。

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