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理想と偽装の向こう側
第22章 約束
「はい、コーヒー」


「ありがとう~何か、香織が淹れたコーヒー飲まないと落ち着かないないよね」


「ぶっ!そ、そう…」


そんな事言われてニッコリ微笑まれ、思わず自分のコーヒーを溢しそうになる。


そろそろ免疫付いたと思ったのに、恋愛相乗効果が働いて、トキメキのモードが倍増だ。


こういう風な台詞を天然で言ってのけて、更に嫌味にならないんだもんな~
小田切さんの会社人たちは、どうなんだろうか?


私が悶々としてると


「今日、どうしよっか…香織、体調とか大丈夫なら行きたいところあるんだけど」


「体調?大丈夫だよ~!どこどこ!」


わ~い!
お出かけだぁ~っとテンションが上がる。


「本当?昨日、ちょっと無茶したから心配なんだけど」


「へ…無茶…あっ…」


かぁ~と、顔が熱くなる。


昨晩の事を思い出させられた!


「だ、大丈夫だよ!」


小田切さんは、意味深に微笑みながら


「香織…真っ赤だよ…」


「だ、だって!」


「この、ミニトマトみたい…あ~ん」


あっ…恒例のあ~んだ!

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