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理想と偽装の向こう側
第23章 幸か不幸か
「香織も飲む~?」


「あっ…うん!」


「で、子どもがどうしたの?」


あっ、話が戻った…。


「う~ん…昼間、黎子とランチしてたら…子ども欲しいなら早い方がいいよって話を…してただけ」


小田切さんは、ビールを一口飲んで


「香織は、欲しい?」


「うん…そりゃまあ…子ども好きだし。星叶ちゃん見てたら、可愛かったし」


「ふ~ん…俺も欲しいな…」


「志信も、子ども好き?」


プルトップを開けようと、両手が塞がってる私に


「うん…作ろっか…」


「へっ?」


今、何と…。


ボケッとしてる私の唇を小田切さんは、あっという間に塞いでた。


「んっ!ん~!」


もがくと 


「どうしたの?」


唇を離して、キョトンとする。


「今日…仕事だったから疲れてるんじゃないかなって…思って…」


私の言葉に、クスリと笑い。


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