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第5章 彼のをしごけば

「裕美さん、あの」


田中浩二郎はうつ伏せで裕美へ言葉をかけたが、



言いかけて、少しの 沈黙が気まずいようでいた。





「ん？何かしら？」



浩二郎に針を埋め込み、



裕美は訊いてみた。



「デートしたいなあ、だとか…その後、やっぱり、その…それ相応の場所で…」




口ごもる浩二郎に…池尻裕美はほっこりと笑った。




「したいの、そんなに私とエッチをやりたいの？」




裕美の露骨な言葉に田中浩二郎は、
一瞬引いた。





「裕美さん…彼氏居ないでしょ？」




「何で？どうして判るの？」




裕美は浩二郎の問い掛けに、語彙を荒げるが本当だった。





「今、もし裕美さんに彼氏がいれば、簡単に職場で破廉恥な行為自体しないでしょ？違うかな…」





「彼氏が居ても、風俗店で働く女性も居るのよ…仕方がないからこうして、経営者に従順なスタッフをやるの。」






裕美は浩二郎に、 今の世の中の常識を 語った。