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そのキスは許されていない……
第1章 私は貴女のモノ。でも貴女は…
「はぁあ、さえきぃ?もっと奥までシテぇ……」


指を曲げて挿し入れる私に、甘ったるい艶声が懇願の音色を奏でる。

白いシーツの上に四つん這いになって一心不乱に腰を振るお嬢様は

美しい野獣のようだった。


その愛おしい下の口に唇を寄せて蜜を啜り、

壺に指を挿し入れてひとたび触れてしまうと、

五感を刺激され欲情するのは男として当たり前のことで……

奉仕することのできる喜びを噛みしめつつ務めを果たす。

それ以上は許されないとわかっていても

未熟な私の起立したものは鎮まらない。

もちろん従者である私ごときが

主であるあなたを穢すことができるわけもなく……

以前は全ての仕事を終え、お嬢様の居室から退出した後、

自室に戻り、手淫で抜いてきた。


でも今は……

この虚しいはずの欲望が向かう先は、私の異常な感情の全て理解してもなお、

微笑んでただ受け止めるという恐ろしいくらいできた妻(おんな)だった。


それから今夜も……

お慰めすることを終えると、丁寧にお嬢様のお躰を清める。

ベッドで眠ったことを確認した私は、

手早く使った物の片づけをし、控えの部屋を後にした。


暗闇の中足早に向かうのはお嬢様の住まうお屋敷の敷地内にある小さな家。

口角が上がり自然と胸が高鳴った。
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